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オランダの電車内マナー
アウトホルンという街とレポーターの紹介、長い冬が明けて春の花が咲いていること、電車内の携帯電話の通話に対するオランダ人の声、日本人にも馴染みのあるオランダ語について。
アンカー宇田川清江さん:ワールドネットワークです。今年度からご登場頂きます、オランダのアウトホルンにお住まいの平田曜子さんです。平田さん。
こんにちわ。
アンカー:こんにちわ。よろしくお願いいたします。
こちらこそ。
アンカー:今「こんにちわ」とご挨拶いたしましたが、そちらは今、4月6日ですよね。
はい。夕方の5時31分ですね。
アンカー:まだ暗くなっていないですね。
そうですね。今日は本当にお天気が良くて、青い空に白い雲がぽっかり浮かんで、とてもいいお天気でした。
アンカー:そうですか。今年度4月から定期的にご登場頂くことになりました。よろしくどうぞお願いいたします。
こちらこそ。お願いいたします。
アンカー:オランダのアウトホルンにお住まいになって長いんですか。
今年の6月で、ちょうど丸20年になります。
アンカー:20年も、もうお住まいですかぁ。
ええ。長いような短いような、あっという間の歳月でした。
アンカー:そうですか。
アウトホルンの街をちょっと説明させて頂きますが、アウトホルンはアムステルダムの中心から20km南の郊外にあります。
アムステルダムまで車で30分、人口は約3万人の自然の豊かなこの街に、日本から越して来た時から住んでおります。
アンカー:そうですか。
当時2歳だった息子が、もう20年経ちまして22歳の青年となりまして、工科大学で経営工学を学んでおります。
アンカー:そうですか。そちらには日本人の方は多いのですか。
こんな小さな国に6000人の日本人が住んでいるといわれています。日本企業は300社以上進出しています。
アンカー:アウトホルンにも、たくさんいらっしゃる?
アウトホルンにもいますね。200人くらいいるそうですよ。
アンカー:そうなんですか。
私はほとんど日本の方とはお付き合いが無いんですけれども、40家庭くらいいるそうです。
アンカー:ああ、そうなんですか。
ええ。
アンカー:今日はいいお天気だそうで。
そうですね。最高気温は7度、最低気温が1度でした。
アンカー:ちょっと寒いんではありませんか。
寒いんですよ、ええ。さっき散歩して来たんですけれども肌寒くて。
桜が見ごろだったんですけれどね、昨日、雨あられが降りまして、散り始めました。
アンカー:ああ、そうですか。
でも私の庭の白梅と桃が、今年も活き活きと綺麗に咲いてくれました。
オランダは冬が長いですからね、春が来ると「春が来た」と、ただそれだけで嬉しいものがありますね。
アンカー:そうでしょうねぇ。
ええ。今は季節的に、春風に揺れる黄金のベルといわれる黄色いレンギョウは、すでに散り始めました。それと入れ替わるように木蓮、コブシ、水仙が歌うように咲いています。
アンカー:ああ綺麗ですね。
もう、本当に綺麗です。さらにお隣の庭から沈丁花がいい香りを運んできてくれて、本当に、まさにヨーロッパの北国の春ですね。
アンカー:そうですか。今日はどんな話題を聞かせてくれますか。
テレビのオランダ第4放送のニュースで、電車内の携帯電話の使用について、オランダ鉄道の車掌さんがインタビューを受けていました。車掌さんは、
「大声で電話している人は周りに迷惑になるから、乗客、あるいは車掌さんが注意すべきだ。しかし、完全に中止する必要は無い。お互いにお互いを気遣えば、問題は解決する」
そう言っています。それに対して「注意して暴力を受ける危険は無いか」という問いに、
「大丈夫。車内を完全に禁煙した時も、そういうことは起きなかったので、少しずつ段階を踏まえていけばうまくいく」
と答えていました。
アンカー:ああ、なるほど。
ええ。ちょっとこれは深刻な問題ですよね。日常に起こりますので。
アンカー:ええ。
さらにテレビ局の人は、実際に走っている車内に入って行きました。
車内では静かに本を読んだり、車窓からの景色を眺めたりして静かにしている乗客の中で、1人だけ大声で長時間話している女の人がいるんですね。
それで、マイクを突きつけられて「あなたのしていることが迷惑になっていると思わない?」と聞かれても、彼女は無視して話し続けているんです。
アンカー:ほう。
他の乗客たちは「迷惑ね」と言っているんですが…。私自身は携帯電話も持たず電車に乗る機会も無いので、ドイツ国境に近いエンスケデ(Enschede)という街から、毎週末2時間半かけて帰省する息子に様子を聞いてみました。彼曰く、
「車内には『電話をご遠慮下さい』という断り書きも無いんだよ。携帯電話で話す人もいるけれど、友人同士でおしゃべりする人も多いので、しーんとしている車内というのは、めったに無いね」
ということです。さらに周りの人の意見も聞いてみました。近所に住む60代の陶芸家の先生は、
「車内で長々と電話している人がいるとイライラするわね。しかし、注意をするには勇気が要るものよ。相手を見定めてしないとね。注意してかっとなって、刃物でも出されたらこわいもの。だから丁寧にお願いするわ」
と言っています。もう一人私の家に出入している50代の大工さんは、
「俺なら単刀直入に言うね。いい加減迷惑だからやめてくれって」
ということなんですね。
アンカー:なるほど。いろいろですね、意見は。
いろいろですね。それでふと思い出したんですが、40代の知人がおりまして、彼は高校の教師なんです。数年前にはこれほど携帯電話というものが普及しておりませんでした。当時彼は1時間半かけて通勤していたんです。
彼曰く「通勤電車内での読書が何よりの楽しみなんだ」と言っておりましたけれど、はたしてその楽しみは、現代までも保たれているんでしょうかね。
アンカー:どうでしょうね。
つくづく思ったんですが、あらゆる物が便利になり、それはそれで結構なことなんですが、そこに周りを気遣う気持ちが無ければ、大切な物を失っていますよね。
アンカー:そうですね。まあ、人様に直接言うっていうのは、なかなか勇気が要ることですからね。それぞれが気をつけたいですよね。
そうですよね。
ところで、4月といえば日本では入学シーズンですよね。特に小学生は真新しいランドセルを背負って、小学校の門をくぐっている子供たちの姿が目に浮かびます。
アンカー:はい。ぴかぴかのランドセルですね。
ランドセルねぇ、実はオランダ語なんですよ。ランセルという言葉がなまってランドセルになりました。
オランダ語の辞書によりますと、こうあります。
「学童の持ち物と理解されているが、元来は軍事用語。明治陸軍は外来語を嫌って、背嚢(はいのう)とよんだ。しかし、ランセルをなまったランドセルが小学生の学用品を収納し、背負う皮製の容器の意味に定着した」
とあります。
アンカー:なるほど。
なるほどですねぇ。
このように外来語には、実に多くのオランダ語があります。例えばですね、ビール、コーヒー、アルコール、コップ、ピンセット、ポンプ、ギブス、メス、スポイト、ブリキ、アスベスト、ガラスなどなど。数え上げたら切りがありませんね。
アンカー:もともとオランダというのは、日本と仲の良い国ですもんね。
そうですね。
アンカー:明治前からね。国交のあった国ですから。
そうですね。そしてさらに、ドゥック(Dock)からズックとなって、ソップ(Sop)からスープになった言葉もあります。
アンカー:そうそう、小説にもソップなどと出てくるものがありますよね。
あ、そうですよね。私がなるほどなあと感心したのはリュックサック。これはリュックが背中でサックが袋ですから、なるほど、背中の袋でリュックサックというわけですね。
アンカー:ほう。オランダ語でリュックが背中ですか。
そうです。
アンカー:サックが袋ですね。なるほど(笑)
なるほどですよねぇ。
アンカー:背中の袋でリュックサックですね。へぇ。
ですから、私がオランダに住むことになった際には、この世にオランダ語というものがあることさえ知らなかったのですが、そうとは知らずに、子供のころから使っていたわけですねえ。
アンカー:そうなんですね。ありがとうございました。楽しいお話でございました。
はいどうも。おやすみなさいませ。
アンカー:よろしくどうぞこれからもお願いします。
7日放送オランダ・アウトホルンから平田曜子さんのレポート
アンカー宇田川清江さん:ワールドネットワークです。今年度からご登場頂きます、オランダのアウトホルンにお住まいの平田曜子さんです。平田さん。
こんにちわ。
アンカー:こんにちわ。よろしくお願いいたします。
こちらこそ。
アンカー:今「こんにちわ」とご挨拶いたしましたが、そちらは今、4月6日ですよね。
はい。夕方の5時31分ですね。
アンカー:まだ暗くなっていないですね。
そうですね。今日は本当にお天気が良くて、青い空に白い雲がぽっかり浮かんで、とてもいいお天気でした。
アンカー:そうですか。今年度4月から定期的にご登場頂くことになりました。よろしくどうぞお願いいたします。
こちらこそ。お願いいたします。
アンカー:オランダのアウトホルンにお住まいになって長いんですか。
今年の6月で、ちょうど丸20年になります。
アンカー:20年も、もうお住まいですかぁ。
ええ。長いような短いような、あっという間の歳月でした。
アンカー:そうですか。
アウトホルンの街をちょっと説明させて頂きますが、アウトホルンはアムステルダムの中心から20km南の郊外にあります。
アムステルダムまで車で30分、人口は約3万人の自然の豊かなこの街に、日本から越して来た時から住んでおります。
アンカー:そうですか。
当時2歳だった息子が、もう20年経ちまして22歳の青年となりまして、工科大学で経営工学を学んでおります。
アンカー:そうですか。そちらには日本人の方は多いのですか。
こんな小さな国に6000人の日本人が住んでいるといわれています。日本企業は300社以上進出しています。
アンカー:アウトホルンにも、たくさんいらっしゃる?
アウトホルンにもいますね。200人くらいいるそうですよ。
アンカー:そうなんですか。
私はほとんど日本の方とはお付き合いが無いんですけれども、40家庭くらいいるそうです。
アンカー:ああ、そうなんですか。
ええ。
アンカー:今日はいいお天気だそうで。
そうですね。最高気温は7度、最低気温が1度でした。
アンカー:ちょっと寒いんではありませんか。
寒いんですよ、ええ。さっき散歩して来たんですけれども肌寒くて。
桜が見ごろだったんですけれどね、昨日、雨あられが降りまして、散り始めました。
アンカー:ああ、そうですか。
でも私の庭の白梅と桃が、今年も活き活きと綺麗に咲いてくれました。
オランダは冬が長いですからね、春が来ると「春が来た」と、ただそれだけで嬉しいものがありますね。
アンカー:そうでしょうねぇ。
ええ。今は季節的に、春風に揺れる黄金のベルといわれる黄色いレンギョウは、すでに散り始めました。それと入れ替わるように木蓮、コブシ、水仙が歌うように咲いています。
アンカー:ああ綺麗ですね。
もう、本当に綺麗です。さらにお隣の庭から沈丁花がいい香りを運んできてくれて、本当に、まさにヨーロッパの北国の春ですね。
アンカー:そうですか。今日はどんな話題を聞かせてくれますか。
テレビのオランダ第4放送のニュースで、電車内の携帯電話の使用について、オランダ鉄道の車掌さんがインタビューを受けていました。車掌さんは、
「大声で電話している人は周りに迷惑になるから、乗客、あるいは車掌さんが注意すべきだ。しかし、完全に中止する必要は無い。お互いにお互いを気遣えば、問題は解決する」
そう言っています。それに対して「注意して暴力を受ける危険は無いか」という問いに、
「大丈夫。車内を完全に禁煙した時も、そういうことは起きなかったので、少しずつ段階を踏まえていけばうまくいく」
と答えていました。
アンカー:ああ、なるほど。
ええ。ちょっとこれは深刻な問題ですよね。日常に起こりますので。
アンカー:ええ。
さらにテレビ局の人は、実際に走っている車内に入って行きました。
車内では静かに本を読んだり、車窓からの景色を眺めたりして静かにしている乗客の中で、1人だけ大声で長時間話している女の人がいるんですね。
それで、マイクを突きつけられて「あなたのしていることが迷惑になっていると思わない?」と聞かれても、彼女は無視して話し続けているんです。
アンカー:ほう。
他の乗客たちは「迷惑ね」と言っているんですが…。私自身は携帯電話も持たず電車に乗る機会も無いので、ドイツ国境に近いエンスケデ(Enschede)という街から、毎週末2時間半かけて帰省する息子に様子を聞いてみました。彼曰く、
「車内には『電話をご遠慮下さい』という断り書きも無いんだよ。携帯電話で話す人もいるけれど、友人同士でおしゃべりする人も多いので、しーんとしている車内というのは、めったに無いね」
ということです。さらに周りの人の意見も聞いてみました。近所に住む60代の陶芸家の先生は、
「車内で長々と電話している人がいるとイライラするわね。しかし、注意をするには勇気が要るものよ。相手を見定めてしないとね。注意してかっとなって、刃物でも出されたらこわいもの。だから丁寧にお願いするわ」
と言っています。もう一人私の家に出入している50代の大工さんは、
「俺なら単刀直入に言うね。いい加減迷惑だからやめてくれって」
ということなんですね。
アンカー:なるほど。いろいろですね、意見は。
いろいろですね。それでふと思い出したんですが、40代の知人がおりまして、彼は高校の教師なんです。数年前にはこれほど携帯電話というものが普及しておりませんでした。当時彼は1時間半かけて通勤していたんです。
彼曰く「通勤電車内での読書が何よりの楽しみなんだ」と言っておりましたけれど、はたしてその楽しみは、現代までも保たれているんでしょうかね。
アンカー:どうでしょうね。
つくづく思ったんですが、あらゆる物が便利になり、それはそれで結構なことなんですが、そこに周りを気遣う気持ちが無ければ、大切な物を失っていますよね。
アンカー:そうですね。まあ、人様に直接言うっていうのは、なかなか勇気が要ることですからね。それぞれが気をつけたいですよね。
そうですよね。
ところで、4月といえば日本では入学シーズンですよね。特に小学生は真新しいランドセルを背負って、小学校の門をくぐっている子供たちの姿が目に浮かびます。
アンカー:はい。ぴかぴかのランドセルですね。
ランドセルねぇ、実はオランダ語なんですよ。ランセルという言葉がなまってランドセルになりました。
オランダ語の辞書によりますと、こうあります。
「学童の持ち物と理解されているが、元来は軍事用語。明治陸軍は外来語を嫌って、背嚢(はいのう)とよんだ。しかし、ランセルをなまったランドセルが小学生の学用品を収納し、背負う皮製の容器の意味に定着した」
とあります。
アンカー:なるほど。
なるほどですねぇ。
このように外来語には、実に多くのオランダ語があります。例えばですね、ビール、コーヒー、アルコール、コップ、ピンセット、ポンプ、ギブス、メス、スポイト、ブリキ、アスベスト、ガラスなどなど。数え上げたら切りがありませんね。
アンカー:もともとオランダというのは、日本と仲の良い国ですもんね。
そうですね。
アンカー:明治前からね。国交のあった国ですから。
そうですね。そしてさらに、ドゥック(Dock)からズックとなって、ソップ(Sop)からスープになった言葉もあります。
アンカー:そうそう、小説にもソップなどと出てくるものがありますよね。
あ、そうですよね。私がなるほどなあと感心したのはリュックサック。これはリュックが背中でサックが袋ですから、なるほど、背中の袋でリュックサックというわけですね。
アンカー:ほう。オランダ語でリュックが背中ですか。
そうです。
アンカー:サックが袋ですね。なるほど(笑)
なるほどですよねぇ。
アンカー:背中の袋でリュックサックですね。へぇ。
ですから、私がオランダに住むことになった際には、この世にオランダ語というものがあることさえ知らなかったのですが、そうとは知らずに、子供のころから使っていたわけですねえ。
アンカー:そうなんですね。ありがとうございました。楽しいお話でございました。
はいどうも。おやすみなさいませ。
アンカー:よろしくどうぞこれからもお願いします。
7日放送オランダ・アウトホルンから平田曜子さんのレポート
- オランダの春の花園はこんな感じかなと、勝手に空想しながら聴いていました。ラジオのいいところですね。ところで、実は私も通話はしていなかったのですが、電車内で携帯電話をいじっていたら怒られたことがあります(涙)。それ以来、私の携帯電話は普段家に置きっぱなしとなっています。(編者)
- 今回のワールドネットワークは「くらしの中のことば」というコーナーに続いて、0時30分ころから10分間くらい放送されました。月曜日だけは毎週この時間からのようです。(編者)
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