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インドのヒンズー教の結婚式

大雨によるマンゴーの被害、アルフォンソ・マンゴー、ヒンズー教の僧侶の結婚式にはたくさんの儀式があること、2日間に及ぶ式次第、持参金の公開、引き出物、直前に届く招待状について。

アンカー西橋正泰さん:アジアリポート。今度はインド、バンガロールの話題。旅行会社マサラツアーズを経営していらっしゃいます後藤理恵さんにお話を聞きます。後藤さん。

はい。

アンカー:こんばんわ。どうぞよろしくお願いします。

こんばんわ。お願いします。

アンカー:今、バンガロールはマンゴーの季節なんだそうですね。

そうなんです。今マンゴーのシーズンでして、もう10種類以上のマンゴーが、店先に出回っています。

アンカー:ああ、そうですか。

日本に輸入されるマンゴーは、フィリピン産のペリカン・マンゴーという種類が多いんですけれども、インドではマンゴーの王様といわれますアルフォンソ・マンゴーというのが、高級なマンゴーとして有名なんです。

アンカー:おいしいんですか。

非常においしいんですね。昨年から、日本にも輸入が開始されたようなんです。このマンゴーは3月から5月にかけて実り始めまして、7月ごろにシーズンが終わります。それで、甘く特有の香りがあります。雨季の数ヶ月前から数日前ぐらいに雨が降りまして、この雨によって一気に熟するんですが、この雨をマンゴー・レインとよぶんですね。

アンカー:そうですか。その雨によって熟しておいしくなると。

そうなんです。その雨が4月中旬から5月初旬ということで、雨季が始まる6月中旬で、だいたい終わります。

アンカー:今年も、そのマンゴー・レインは降ったんですか。

そうですね。もう降りました。ただ、今年は収穫直前に大雨に見舞われまして、マンゴーが被害を受けているんです。そのために価格が上昇しまして、通常1kgを90円ぐらいで買えるものなんですけれども、今年は150円ぐらいまで値上がりしているんですね。

アンカー:ほう。

アルフォンソ・マンゴーは一番高級なマンゴーで、こちらでは1つが60円ぐらいです。通常のマンゴーの6倍近くする値段なんですね。インドではマンゴーはフルーツの王様といわれまして、青い時期に刈り取ったマンゴーは爽やかな味で、漬物にしたり、サラダにしたりして重宝されます。

アンカー:そうですか。

はい。近年は世界で穀物需要が高まって、インドでも今インフレが酷いんですね。そのため、マンゴーのみならず野菜の高騰も目立ちまして、村の市場でも、20%以上の価格上昇が起きているんですね。

アンカー:そうですか。台所は結構厳しくなりますね。

そうなんですね。村の人も一生懸命節約しようと、今は努力しているような感じですね。

アンカー:そうですか。さて、後藤さんは先日、結婚式に参加なさったんだそうですね。

そうなんです。インドの方の結婚式は非常にエンターテイメントでして、ヒンズー教、キリスト教、イスラム教と、宗教によってだいぶ結婚式のスタイルが異なります。私が今回参加してきましたのは、ヒンズー教徒のブラーミン(Brahmin)とよばれる僧侶の方の結婚式でした。

アンカー:ヒンズーのお坊さんですか。

そうです。お坊さん階層ですね。その階層というのは、非常に厳格なしきたりの下に様々な儀式が執り行われますので、インドの伝統的な、代表的な結婚式でもあるんです。昔の結婚式は7日間ぐらい続く盛大なものだったんですけれども、バンガロールも都市化が進みまして「仕事を休めない」とか、「それだけの費用をかけられない」とか、そんな理由で今は2日間ぐらいで終了するのが一般的です。

アンカー:それでも2日間あるんですね。

そうですね。

アンカー:なるほど。

初日はだいたい午後の5時ぐらいから「両家の顔合わせ」となります。インドではいまだに80%ぐらいがお見合い結婚なので、結婚前にそれぞれ家族が信用調査をしまして、収入や星占いの相性とか、、、

アンカー:そういうこともやるわけですね。

はい。そういうところで結婚が決められるというわけですね。

結婚式の内容なんですけれども、まず最初に両家から新婦にはサリー、新郎にはスーツと、ウェディングドレスの交換が行われます。

アンカー:交換するわけですね。新婦には新郎の側からサリーが贈られ、新郎には新婦側からスーツが贈られると。

はい。まず、式でウェデヒングドレスの交換が行われるんですね。親族は100人から200人近く招待されまして、南インドの伝統的なカルナータカ音楽(Carnatic music)というのが流れる中、式が始まり、夜の9時ぐらいには一旦終了します。

アンカー:その音楽は生演奏ですか。

そうですね。生演奏で4人か、5人ぐらいの演奏家の人が、新郎新婦が式場に入る時から後ろから付いていきまして、音楽とともに会場に入ることになります。

アンカー:ああ、そうですか。

2日目は早朝4時ぐらいから、交換したウェディングドレスを着ました新郎新婦が、9つの穀物を入れたカップを持ちまして、それぞれの家庭、家族に渡すんです。

アンカー:家庭に?

はい。穀物というのは豊穣(ほうじょう)の意味もありますので渡すんですね。

アンカー:家々を訪ねていくんですか。そうじゃなくて?

そうじゃなくて、各両家の人に渡すんです。

アンカー:なるほど、なるほど。

穀物を渡し合うというんですかね。そうして両家の繁栄を願うという意味だと思うんです。そして、新郎新婦の父親が花嫁花婿さんの腕に紐を巻きつける儀式があるんです。

アンカー:ほう。

その後、新婦さんはダウリ(Dowry)といわれる持参金の徴収がありまして、新郎の家族の前で贈り物を公開しなければいけないんです。

アンカー:新婦のほうが?

はい。そうです。時には家や車やオートバイなどが贈り物になるんですね。非常にお金のかかる儀式でしてね、だいぶ負担なんかもあるんです。車などは式場へ持ち込めませんので、その時は車の鍵などを目の前で、必ず公開しなければいけないんです。

アンカー:家なんかの場合は家の鍵とか。

そうです。家の写真とかね。こういう物は隠さず渡すということになります。

アンカー:ふーん。

その後、お色直しなどがあります。そして、奥さんの兄弟が結婚式の前に必ずヒンズー教の聖地バラナシ(Varanasi)に旅行してこないといけないんですね。

アンカー:奥さんの兄弟が?

そうですね。バラナシでお祈りをして、もらってきた傘などを持ち帰ってきまして、傘を新郎に持たせてかざして、今後の夫婦円満を願うという儀式が行われるんです。

アンカー:ああ、そういうのが一つ一つ決まっているわけですね。

そうですね。その後は両家のおじ、おばが、新郎新婦を肩車しまして、首からさげる花輪をかける儀式があるんです。

アンカー:へえ。

その後にはですね、インドにも中国みたいなワストゥー(Vastu)という、吉凶を占う風習がありまして、それで赤、黄色、白の3色に色づけされた「おにぎり」みたいなものを作りまして、部屋の4つの方向に投げるというような儀式もあるんです。

アンカー:それは食べられるんですか。

そうですね。それは食べないんですけれども。五穀豊穣を願ってということだと思いますが、そのような儀式もあります。その後、新郎の母がキャンドルを持って会場を回って、新婦は今度赤いサリーのお色直しをするんですね。

アンカー:ほう。

それで、結婚指輪のようなものなんですけれど、金のネックレスの交換が行われまして、それから1時間半ぐらいにわたるお経が始まります。

アンカー:ヒンズーのお経が?

そうですね。そして、午後の1時ぐらいには、だいたい儀式が終了します。最後は屋外に出まして、新郎さんが新婦の足の指にリングを付ける儀式が行われます。

アンカー:足の指に?

そうなんです。足の指に。

アンカー:ほうほう。

それで、新婦さんが新郎の家に訪れまして、初日はそこで宿泊となります。招待客の人は伝統的なバナナの葉に盛られた食事を頂きます。これはデザート、おかずが5種類、カレーが2種類、あとはお米で作ったお煎餅やお菓子なんです。すごい量のお食事がふるまわれまして(笑)

アンカー:ほう。

これを右手で頂きまして、食事が終了しましたら招待客は帰宅すると。帰りには、、、

アンカー:2日間まるまる参加するんですか。

そうですね。私なんかは1日だけ、どちらか参加させて頂いたりすることもあるんですけれど、2日間参加される方もいらっしゃいますね。

アンカー:2日間参加される方は、そこの家に泊まるんですか。

遠くから来る人は、そこに宿を用意してありましてね。結婚式場の上が宿になっているんです。

アンカー:ああ、なるほど。

そこに泊まられて、という方もいらっしゃいます。帰りには引き出物としてヤシの実、額に付けるクンクム(Kumkum)という赤い粉、あとは神様の小さな像を頂けるようになります。

アンカー:ああ、なるほど。

ただ、この招待状が届くのが3日前、4日前と急なことが多くて、我々も都合をつけるのに非常に苦労するんです。それでもインドの国民性というか、あまり早く知らせると招待を忘れてしまうということで、インドの結婚式はいつも直前の告知が多いんです。

アンカー:そうすると、やむを得ず出席できない人もでてきますよね。

そうですね。ただまあ、結婚式はとても重要な儀式ですので、招待されて断るというわけにもいかなくて、皆、工面するのが大変なんですね。

アンカー:なんとか都合をつけて出るわけですね。

そうですね。なんとか。結婚式場のホールもありますけれども、次々豪華な会場ができておりまして、最近はホテルでの結婚式が人気を博しております。だんだん都市化で、モダンに様変わりしてきております。

アンカー:ああ、なるほどね。はい、どうもありがとうございました。

はい、またお願いします。おやすみなさい。失礼します。
17日放送インド・バンガロールから後藤理恵さんのレポート

  • 結婚式の儀式のお話が興味深かったです。ダウリという持参品を公開するのは、新婦の親にとっては面子もあって大変でしょうね。7日間あった時代は、おそらくもっといろいろな儀式が連日続いたのかなと思いました。儀式の準備など、想像もできないくらい物凄いイベントだったことでしょうね。(編者)

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