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秋の牡蛎と美術展
フランスで旬を迎えた牡蛎、産地より脂の乗り具合、生牡蛎の食べ方と食中毒への意識の差、秋の美術展「サロン・ドートンヌ」、パリ在住の日本人画家に聞いたパリの特長と魅力について。
アンカー宮川泰夫さん:今夜はフランス、パリから八木祐厘さんのリポートです。八木さんこんばんわ。
こんばんわ。よろしくお願いいたします。
アンカー:八木さんとのコンビは初めてです。よろしくお願いいたします。
お願いいたします。
アンカー:パリはだいぶ秋めいてきたんではないですか。
はい。今のパリは曇りで、今日は最高気温が15度、最低気温が10度の肌寒いお天気です。
街中ではコート姿の人が目立ちます。
また、陽が短くなりまして、特に朝陽が昇るのは8時ごろで、陽が沈むのは夜の7時過ぎです。
アンカー:そうですか。さて、日本でも先日牡蛎の初水揚げというニュースを見たんですけれども、フランスもこれから牡蛎(かき)のシーズンなんだそうですね。
はい。この季節の楽しみの一つは、海の幸「牡蛎」です。
フランスでは10月から2月までが、種類が豊富で旬とよばれています。
天然ではなく主に養殖の物を食べますが、生産量はヨーロッパでは最大で、養殖場はフランスの北から南まで広がっています。
採れた牡蛎はほとんど国内で消費されます。
世界的には、フランスの牡蛎生産量は2006年には5位、日本は3位でした。
日本の牡蛎の種類は真牡蛎が代表的です。
フランスでは1960年代から1970年代にかけて、牡蛎が大量に病死し、日本の真牡蛎を導入して危機を逃れました。
日本の真牡蛎のように、今では貝の内側がくぼんでいる牡蛎の他に、フランスでは平らな牡蛎もあります。
選ぶ時の基準ですけれども、脂の乗り具合が基準になりまして、レストランやお魚屋さんでは、産地より脂の乗り具合を基準に、おすすめの品物の説明をしてくれます。
アンカー:ほう。
食べ方は、日本ではフライや鍋にするなど、さまざまな料理がありますけれども、フランスでは火を通した牡蛎料理は定着しておらず、主に生で食べます。
味付けはレモン、またはワインビネガーにエシャロット(Échalote)というタマネギのみじん切りを加えまして、それに付けて食べます。
牡蛎を生で食べることについて、日本とフランスでは意識が少し違うようです。
日本の食品安全委員会が、先月発表した「日仏アンケート調査」では、生牡蛎と食中毒について「生牡蛎を食べる際に食中毒になると不安に思いますか」という質問に、日本人回答者の83%が不安に思うと答えたのに対し、フランス人は58%が不安に思うと答えました。
フランスでは、夏でも生牡蛎をレストランで食べられます。
しかし、一年で一番のピークは、12月のクリスマスと大晦日の前後です。
この時季には、年間の売上げの半分を記録するといわれています。
12月市場に行きますと、腕に抱えるほどの大きな入れ物に、牡蛎だけの盛り合わせ、またはエビなどの他の海の幸と組み合わせた盛り合わせが並んでいます。
フランスの美食家ブリア=サヴァラン(Brillat-Savarin)は、19世紀に牡蛎について次のように書いています。
「良いもてなしとは牡蛎で始まり、来客は12ダースの牡蛎を飲み込むまで休まなかった」
アンカー:えーっ、12ダース?
はい。12ダースというと144個ですけれども(笑)
144個の牡蛎をめいめいが食べたということです。
アンカー:うわー凄いですねえ。
この他にも、美食家として知られているフランスの作家バルザックは、前菜に100個以上の牡蛎を食べたといわれています。
まあ食べるというより、飲み込むという感覚なのでしょうか。
フランス人にとって牡蛎を食べるという機会は、クリスマスや大晦日のお祝い、そして人と過ごす楽しい時間が中心になっているようです。
アンカー:ああ。やっぱりその時は一緒に白ワインということですか。
はい。シャンパンまたは白ワインで、一般的に食べることになります。
アンカー:今うかがっていて、おいしそうだなと思ったのは、日本ですと生牡蠣を食べる時は、だいたいレモンやお醤油をちょっと掛けるだけなんですけれども、ワインビネガーにエシャロットをみじん切りにして、それに付けて食べる?これはおいしそうですね。
もともとは、もしかしたら消毒の要素もあったのかもといわれているんですけれども、お味のほうも良く合いましておいしいです。
アンカー:八木さんはもうそういう形で頂いている?
はい。
アンカー:これは新しい食べ方を教えて頂きました(笑)さて、食欲の秋から、次は芸術の秋のお話ですね。
はい。パリでは秋に開かれる「秋の展覧会」という催しがありまして、これは美術展なんですけれども、フランス語ではサロン・ドートンヌ(Salon d'automne)とよばれます。
一般から作品を募集する美術展ですが、今年は10月16日から26日まで開かれます。
アンカー:間もなくですね。
はい。多数の部門がありまして、去年は絵画、彫刻、写真、漫画などの部門で約1000点の作品が展示されました。
アンカー:え?漫画もあるんですか。
はい。漫画もあります。
アンカー:おお、そうなんですか。
一般には絵画が有名です。
サロン・ドートンヌは、当時の保守的な展覧会に対抗して立ち上がりました。
セザンヌやルノワールを始め、20世紀を代表する画家が出品しました。
また、マティスなど原色が特長のフォーヴィスム(野獣派)絵画が発表された舞台として有名です。
20世紀前半の現代美術を引っ張った展示会です。
当時、画家の登竜門でもあったこのサロン・ドートンヌは、日本の画家ではレオナール・フジタ(藤田嗣治)や佐伯祐三が作品を発表しています。
このような独自の歴史を持つサロン・ドートンヌは、数多いフランスの美術展の中で、独立した存在を保っています。
この展示のカタログなんですけれども、インターネットのサロン・ドートンヌのページでも観ることができます。
アンカー:そうですか。そうすると、お好きな方は日本からネットで入ることもできるんですね。
はい、そうです。過去数年の物が、全部観られるようになっています。
アンカー:日本からも出品があるんでしょうか。
はい。現在でも日本人の画家が作品を発表しています。
その中には、長年パリに滞在している画家、また数年パリに滞在してサロン・ドートンヌに入選した思い出を持ち、日本に帰国する画家もいます。
また、日本からも応募ができまして、日本から応募してくる画家もいます。
アンカー:ふうん。
ところで、パリでは日本人の画家が、以前より人数が減っているといわれています。
アンカー:ああ、そうなんですか。
はい。その中で、長年パリに滞在している方々に、パリは今どのような特徴と魅力があるかを聞いてみました。
特徴の一つは、パリは都市としては小さいほうですが、質の高い芸術が身近にあり、触れる機会が豊富なことです。
また、ルーブル美術館を始め、古代の美術からポンピドゥー(Pompidou)現代芸術センターなどの現代美術まで、幅広い時代の質の高い物に触れることができるということです。
また、パリの魅力につきましては、日本と比較しますと一つは自由勝手な気質、自由に自分を表現できる気質が芸術家として大切であるということと、様々な国や文化の人が身近にいて、間接的に触れるのではなく直接交流して、自分で判断することができること、また、日本から離れて自分を見つめて仕事ができることを画家の方たちは言われていました。
パリの魅力を味わうためには、ぜひパリにいらして頂きたいと思います。
アンカー:そうですね。私は行ったことがないんで、憧れの街です。
あの、先ほどの牡蛎のお話なんですけれども「牡蛎はフランスの食文化の象徴」というふうに、フランス人の70%が言っていますので、牡蛎もフランス、パリの一つの魅力かもしれません。
アンカー:そうですね。先ほど八木さんは「パリ在住の日本人画家が、以前より減っている」というお話がございましたけれども、何かそれは原因があるというか、理由があるんでしょうかね?
一つはパリ以外にも、美術の中心となっている都市が、他にも今あるということだと思います。
例えばニューヨーク、ヨーロッパではベルリンなどが注目を集めているようですけれども、それが一つの理由かと思います。
アンカー:なるほどね。
はい。
アンカー:おいしそうな牡蛎のお話を、ありがとうございました。またよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
9日放送フランス・パリから八木祐厘さんのレポート
アンカー宮川泰夫さん:今夜はフランス、パリから八木祐厘さんのリポートです。八木さんこんばんわ。
こんばんわ。よろしくお願いいたします。
アンカー:八木さんとのコンビは初めてです。よろしくお願いいたします。
お願いいたします。
アンカー:パリはだいぶ秋めいてきたんではないですか。
はい。今のパリは曇りで、今日は最高気温が15度、最低気温が10度の肌寒いお天気です。
街中ではコート姿の人が目立ちます。
また、陽が短くなりまして、特に朝陽が昇るのは8時ごろで、陽が沈むのは夜の7時過ぎです。
アンカー:そうですか。さて、日本でも先日牡蛎の初水揚げというニュースを見たんですけれども、フランスもこれから牡蛎(かき)のシーズンなんだそうですね。
はい。この季節の楽しみの一つは、海の幸「牡蛎」です。
フランスでは10月から2月までが、種類が豊富で旬とよばれています。
天然ではなく主に養殖の物を食べますが、生産量はヨーロッパでは最大で、養殖場はフランスの北から南まで広がっています。
採れた牡蛎はほとんど国内で消費されます。
世界的には、フランスの牡蛎生産量は2006年には5位、日本は3位でした。
日本の牡蛎の種類は真牡蛎が代表的です。
フランスでは1960年代から1970年代にかけて、牡蛎が大量に病死し、日本の真牡蛎を導入して危機を逃れました。
日本の真牡蛎のように、今では貝の内側がくぼんでいる牡蛎の他に、フランスでは平らな牡蛎もあります。
選ぶ時の基準ですけれども、脂の乗り具合が基準になりまして、レストランやお魚屋さんでは、産地より脂の乗り具合を基準に、おすすめの品物の説明をしてくれます。
アンカー:ほう。
食べ方は、日本ではフライや鍋にするなど、さまざまな料理がありますけれども、フランスでは火を通した牡蛎料理は定着しておらず、主に生で食べます。
味付けはレモン、またはワインビネガーにエシャロット(Échalote)というタマネギのみじん切りを加えまして、それに付けて食べます。
牡蛎を生で食べることについて、日本とフランスでは意識が少し違うようです。
日本の食品安全委員会が、先月発表した「日仏アンケート調査」では、生牡蛎と食中毒について「生牡蛎を食べる際に食中毒になると不安に思いますか」という質問に、日本人回答者の83%が不安に思うと答えたのに対し、フランス人は58%が不安に思うと答えました。
フランスでは、夏でも生牡蛎をレストランで食べられます。
しかし、一年で一番のピークは、12月のクリスマスと大晦日の前後です。
この時季には、年間の売上げの半分を記録するといわれています。
12月市場に行きますと、腕に抱えるほどの大きな入れ物に、牡蛎だけの盛り合わせ、またはエビなどの他の海の幸と組み合わせた盛り合わせが並んでいます。
フランスの美食家ブリア=サヴァラン(Brillat-Savarin)は、19世紀に牡蛎について次のように書いています。
「良いもてなしとは牡蛎で始まり、来客は12ダースの牡蛎を飲み込むまで休まなかった」
アンカー:えーっ、12ダース?
はい。12ダースというと144個ですけれども(笑)
144個の牡蛎をめいめいが食べたということです。
アンカー:うわー凄いですねえ。
この他にも、美食家として知られているフランスの作家バルザックは、前菜に100個以上の牡蛎を食べたといわれています。
まあ食べるというより、飲み込むという感覚なのでしょうか。
フランス人にとって牡蛎を食べるという機会は、クリスマスや大晦日のお祝い、そして人と過ごす楽しい時間が中心になっているようです。
アンカー:ああ。やっぱりその時は一緒に白ワインということですか。
はい。シャンパンまたは白ワインで、一般的に食べることになります。
アンカー:今うかがっていて、おいしそうだなと思ったのは、日本ですと生牡蠣を食べる時は、だいたいレモンやお醤油をちょっと掛けるだけなんですけれども、ワインビネガーにエシャロットをみじん切りにして、それに付けて食べる?これはおいしそうですね。
もともとは、もしかしたら消毒の要素もあったのかもといわれているんですけれども、お味のほうも良く合いましておいしいです。
アンカー:八木さんはもうそういう形で頂いている?
はい。
アンカー:これは新しい食べ方を教えて頂きました(笑)さて、食欲の秋から、次は芸術の秋のお話ですね。
はい。パリでは秋に開かれる「秋の展覧会」という催しがありまして、これは美術展なんですけれども、フランス語ではサロン・ドートンヌ(Salon d'automne)とよばれます。
一般から作品を募集する美術展ですが、今年は10月16日から26日まで開かれます。
アンカー:間もなくですね。
はい。多数の部門がありまして、去年は絵画、彫刻、写真、漫画などの部門で約1000点の作品が展示されました。
アンカー:え?漫画もあるんですか。
はい。漫画もあります。
アンカー:おお、そうなんですか。
一般には絵画が有名です。
サロン・ドートンヌは、当時の保守的な展覧会に対抗して立ち上がりました。
セザンヌやルノワールを始め、20世紀を代表する画家が出品しました。
また、マティスなど原色が特長のフォーヴィスム(野獣派)絵画が発表された舞台として有名です。
20世紀前半の現代美術を引っ張った展示会です。
当時、画家の登竜門でもあったこのサロン・ドートンヌは、日本の画家ではレオナール・フジタ(藤田嗣治)や佐伯祐三が作品を発表しています。
このような独自の歴史を持つサロン・ドートンヌは、数多いフランスの美術展の中で、独立した存在を保っています。
この展示のカタログなんですけれども、インターネットのサロン・ドートンヌのページでも観ることができます。
アンカー:そうですか。そうすると、お好きな方は日本からネットで入ることもできるんですね。
はい、そうです。過去数年の物が、全部観られるようになっています。
アンカー:日本からも出品があるんでしょうか。
はい。現在でも日本人の画家が作品を発表しています。
その中には、長年パリに滞在している画家、また数年パリに滞在してサロン・ドートンヌに入選した思い出を持ち、日本に帰国する画家もいます。
また、日本からも応募ができまして、日本から応募してくる画家もいます。
アンカー:ふうん。
ところで、パリでは日本人の画家が、以前より人数が減っているといわれています。
アンカー:ああ、そうなんですか。
はい。その中で、長年パリに滞在している方々に、パリは今どのような特徴と魅力があるかを聞いてみました。
特徴の一つは、パリは都市としては小さいほうですが、質の高い芸術が身近にあり、触れる機会が豊富なことです。
また、ルーブル美術館を始め、古代の美術からポンピドゥー(Pompidou)現代芸術センターなどの現代美術まで、幅広い時代の質の高い物に触れることができるということです。
また、パリの魅力につきましては、日本と比較しますと一つは自由勝手な気質、自由に自分を表現できる気質が芸術家として大切であるということと、様々な国や文化の人が身近にいて、間接的に触れるのではなく直接交流して、自分で判断することができること、また、日本から離れて自分を見つめて仕事ができることを画家の方たちは言われていました。
パリの魅力を味わうためには、ぜひパリにいらして頂きたいと思います。
アンカー:そうですね。私は行ったことがないんで、憧れの街です。
あの、先ほどの牡蛎のお話なんですけれども「牡蛎はフランスの食文化の象徴」というふうに、フランス人の70%が言っていますので、牡蛎もフランス、パリの一つの魅力かもしれません。
アンカー:そうですね。先ほど八木さんは「パリ在住の日本人画家が、以前より減っている」というお話がございましたけれども、何かそれは原因があるというか、理由があるんでしょうかね?
一つはパリ以外にも、美術の中心となっている都市が、他にも今あるということだと思います。
例えばニューヨーク、ヨーロッパではベルリンなどが注目を集めているようですけれども、それが一つの理由かと思います。
アンカー:なるほどね。
はい。
アンカー:おいしそうな牡蛎のお話を、ありがとうございました。またよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
9日放送フランス・パリから八木祐厘さんのレポート
- 八木さんは牡蛎がお好きなのかなと、想像しながらお話を聴きました。アンケートの結果で、日本人よりもフランス人のほうが、生牡蛎の食中毒を気にする人の割合が低かったのは、どうしてなのかと思いました。フランス人は体が丈夫で、比較的食中毒が少ないのでしょうか。(編者)
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