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続日本の秋2008祭り
地下鉄と冬時間への移行、窓の外の温度計、亀山郁夫氏とボリス・アクーニン氏の対談、日本人とロシア人の共通点、亀山氏のプーシキン・メダル受賞、ロシアの防寒用帽子について。
アンカー遠藤ふき子さん:今日はモスクワから安藤真理さんに伝えて頂きます。安藤さん。
はい。こんばんわ。ドーブルイ・ヴェーチェル。
アンカー:こんばんわ。今モスクワは月曜日の何時になりますか。
月曜日の6時15分ぐらいだと思います。
アンカー:夕方の6時15分?
はい。夕方の6時15分です。
今日の天気は曇り。朝の天気はだいたい4度ぐらいで、日中は6度ぐらいまで上がったかと思います。
アンカー:はい。
冷たい風が吹いていて、帽子や手袋、マフラーを身に付ける人も増えてきました。
アンカー:ああ、そうですか。
はい。モスクワでも先月の終りに、夏時間から冬時間に移行しまして。
アンカー:ええ。
日本との時差が、5時間から6時間になりました。
アンカー:ああ、そうですか。1時間長くなったわけですね。
はい。こちらでは毎年、10月最後の土曜日から日曜日にかけて、夜中の2時に時間が変わるんですけれども。
これはなぜ夜中の2時かといいますと。
モスクワの地下鉄の営業時間が、夜中の1時半ごろまでで、全ての運行が終った後に、時間を変えるためだといわれています。
アンカー:ああ、なるほどね。でも、ずいぶん遅くまで地下鉄はやってるんですね。
そうですね。ですからとても便利ですね。
アンカー:ああ、そうですか。
はい。
アンカー:でも一般の家庭では、皆さん起きてから、時計を1時間進めるということになるんですか。
1時間戻すんだと思います。
アンカー:あ、戻すんですね。
切り替えで、1時間余計に寝られるという(笑)
アンカー:(笑)そうすると、なんか1時間得したような感じですかしらね。
そうですね。
たまに、時間を間違えてしまう人もいるそうで。
そういう人は寝る前に、もう時間を替えておいたりするみたいですけれど。
アンカー:なるほどね。もういつも決まっているわけですね。10月の終りということにね。
最終の土曜日から日曜日というふうに、決まっています。
アンカー:ああ、そうですか。なるほどねえ。そちらはやっぱり11月半ばを過ぎると、もう雪かなという感じもしますけれど。そうでもないですか。
ええ。実は今年は雪が遅くてですね。
例年ですと、10月半ば終りには初雪が降っているんですけれども。
今年はまだ無いですね。
アンカー:そうですか。
はい。。。なんか温暖化なんでしょうか。
アンカー:ああ、なるほどねえ。
はい。
アンカー:そうすると皆さんいつもよりも、服装はわりと軽めで出ているという感じですか。
そうですね。まだまだ軽めです。
雪が降って冷え込んできますと、毛皮なんかを着られる方が、多くなるんですけれども。
アンカー:ええ。
まだ皆さん薄手のナイロンのコートですとか、皮のジャケットですとか、そういう方もいらっしゃいますね。
アンカー:ああ、そうですか。
はい。
アンカー:朝はもの凄く寒くて、日中は少し上がるとか、いろいろあると思うんですが。
はい。
アンカー:そちらでは、どうやって朝、家を出る時の服装を決めていくんですか。
モスクワだと、ほとんどアパートなんですけれども、だいたいどこの家庭にも、皆さん窓の外に温度計を付けていまして。
それで朝気温を見て、服装を決めるという方が、多いみたいです。
アンカー:窓の外に温度計ですか。
はい。外の気温を知らなくてはいけませんので(笑)
アンカー:(笑)ああ、そうですか。日本ですと普通温度計は家の中で、外にはあまり出さないですよね。
ええ。温度計は長いですけれども、上と下に引っ付けるところがありまして。
それで立って窓に引っ付いているんです。
アンカー:ああ、そうなんですか。
はい。
これは日本の知り合いが、本で読んだ話なんですけれども。
日本の温度計は、ゼロから上のプラスの部分の方が、ゼロから下のマイナス部分よりも多く取ってあるそうなんですね。
アンカー:ああ。
ですから、プラス50度で、マイナスが30度ぐらい。
アンカー:ええ。
ロシアの場合は、ゼロの下と上が同じで。
プラス50度、マイナス50度という温度計が多いみたいです。
アンカー:やっぱりそれだけ下がる確率が、高いということですかしらね。
そうですね。はい。
よく考えてみれば、当たり前のことなんですけれど。寒い所ですので。
アンカー:なるほどね。
はい。
アンカー:やっぱり外に温度計を出して、それを見ながら服装を決めるというのは、いかにも寒い国らしいという気がしますね。
(笑)そうですか。
アンカー:ええと、今日はあの、どういう話ですか。
実は亀山郁夫東京外国語大学学長と、ロシア人の人気作家ボリス・アクーニン(Борис Акунин)氏が対談したということについてのお話です。
アンカー:はい。
10月25日日曜日、モスクワで行われている一連の「日本の秋」というイベントの一部として、この対談は行われました。
テーマは「グローバル化時代に生き続けるドストエフスキー」というもので、私も出かけてきました。
アンカー:ああ。そうですか。はい。
会場は立ち見が出るほどの大盛況で、次から次へと予備の椅子が運び込まれて。
遅れて来た人が、最終的には亀山学長の目と鼻の先に座るという状態になっていました。
アンカー:そんなに満員だったんですか。
ええ。超満員でした。
アンカー:そうですか。はああ。。。
日本人の人も、結構いらしていたんですけれども。
目立っていたのは、大学生ぐらいの若い人たちでした。
アンカー:ああ、そうですか。
はい。それで、この亀山学長なんですけれども。
日本では皆さんご存知の通りだと思うんですが、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』で知られていると思います。
アンカー:はい。そうですね。もの凄くベストセラーになっているということですね。
ええ。一方、ロシアの人気作家ボリス・アクーニン氏は、モスクワ大学で日本について勉強しまして。
その後、三島由紀夫ですとか、井上靖、島田雅彦など、現代日本文学の翻訳を手がけました。
そして、独自の作家活動を開始した人です。
アンカー:はい。
ちなみにこのボリス・アクーニンという名前は、ボリスというのが名前で、アクーニンが苗字なんですけれども。
アクーニン、アクーニン……なんか日本語の単語で似ている単語はないでしょうか(笑)
実はですね、日本語の「悪人」、悪い人と書くんですけれども、この悪人にちなんで付けたペンネームだそうです。
アンカー:そうなんですかあ。なるほどね。
悪人といいましても、ただの悪い人というよりも、気高い悪人というか、気品のある悪人といいますか、そういうような、ちょっとキザな意味を込めているそうです。
アンカー:なるほどね。日本研究を色々している方で、ペンネームもいろいろと凝ってお付けになったんですね。
そうですね。
それで、今回の対談のテーマは、ドストエフスキーについてだったわけですが。
「対談」という名前ではあったんですけれども、実際私が受けた印象ですと、亀山学長がドストエフスキー論を語っていらしたというような感じでした。
アンカー:ああ、そうですか。
(笑)はい。
ロシア人同士が対談する場合には、だいたい対談の両方の人が、人の話を聴かずに、また人が話している上から自分の話を被せて話すので。
日本的イメージの対談というのは、成立することが少ないのではないかと思います。
アンカー:そうなんですか。ふーん。
ええ。ですが、さすがアクーニン氏は日本研究者だけあって、抜群に間の取り方が上手くて。
ですから、落ち着いて聴くことが出来ました。
アンカー:ああ、なるほどね。
はい。ドストエフスキーについては、また別の機会にご紹介するとしまして。
今回の対談の中で「日本人とロシア人の共通点」ということが出てきましたので、ちょっとご紹介したいと思います。
アンカー:はい。
このお二人の文学関係者が考える「日本人とロシア人の共通点」といいますのは、「良い部分でも、悪い部分でも、途中で立ち止まることができない。つまり、とことんまでやってしまう」ということだそうです。
アンカー:ああ、そうですか。はい。
ええ。その最たる例が「自殺」で。
私はこの話を聴きまして、日本で自殺が多いことはニュースなどで知っていたんですが。
なんとその日本よりも、ロシアのほうが自殺率が高いそうです。
アンカー:ああ、そうなんですか。へえ。
ええ。それで、この「とことんまでやってしまう」ということなんですけれども。
この国民性は、ロシアの人たちを見ていると、やっぱり納得のできることでして。
アンカー:ええ。
例えば、お酒の飲み方。
飲まないか、それとも、とことん飲んで酔いつぶれて、あとで後悔するかというような感じなんですね。
こういうような繰り返しなんですけれども。
ロシア語にザラタヤ・セリジーナ(Золотая середина)という言葉がございまして。
直訳すると「黄金の真ん中」というような意味です。
これは中庸といいますか、両極の正しい中間を認識するというような意味でして。
戒めの言葉として、また、こんなことはあり得ないという気持ちを込めて、こちらでは使われているようです。
アンカー:ふーん。
はい。自殺については、アクーニン氏がペンネームではなくて、本名のグリゴーリイ・チハルチシヴィリの名で『自殺の文学史』という本を出しています。
日本語にも訳されているみたいですので、ぜひ読んでみたいと思います。
それから、対談の後には、会場から質問なども出ていたんですが。
例えば「どの日本人の作家が、一番日本人らしさを出しているか」という質問に対しては、亀山学長、アクーニン氏ともに川端康成氏の名前を挙げていました。
アンカー:ああ、そうですか。
ええ。それから、この対談から10日後の11月4日、亀山学長にロシア語やロシア文学の普及に貢献した外国人に贈られる「プーシキン・メダル」というのが贈られました。
これは先ほどの『カラマーゾフの兄弟』の新訳がベストセラーになったことも、理由の一つだと思います。
授賞式は、モスクワのクレムリンで行われまして。
メドベージェフ大統領が、自らメダルを授与したとのことです。
アンカー:はい。
この「プーシキン・メダル」のプーシキンというのは、ロシアの近代文学を確立したといわれている、ロシアの詩人で小説家です。
日本ではあまり知られていないかも知れませんが、ロシアでは一番偉大で、一番有名な詩人として皆さんから愛されています。
アンカー:ああ、なるほどね。名前はご存知の方が多いと思います。
ええ。
アンカー:ええと、その亀山学長のニュースと、もう一つ軽い話題があるんですね。
はい。先ほど冬の服装について、少し触れましたけれども。
アンカー:はい。
ロシアの帽子について、ちょっとお話ししたいと思います。
ロシアの帽子といいますと、どういう帽子をイメージされるのかなと思うんですけれども。
アンカー:だいたい毛皮の帽子ですね。
(笑)毛皮の帽子ですか。
私なんかは、よくアニメの『銀河鉄道999』のメーテルの被っているような。
アンカー:ああ。
何ていうんでしょう、ふわふわの帽子が、ロシアっぽい帽子かなと思います。
その帽子なんですけれども、ロシア語ではウシャンカ(Ушанка)と申しまして、耳あて付きの防寒用帽子という意味です。
この帽子は通常、耳あての部分を付属の紐で、帽子のてっぺんで結んで、耳あての部分を上げているんですけれども。
寒い時には、その紐をほどいて、耳あての部分を下に降ろすことができるんですね。
アンカー:ああ、なるほどね。
ええ。下に降ろしているだけですと、犬のダックスフントの耳のように、耳あての部分が少し外側に跳ねているんですけれども。
アンカー:(笑)ええ。
実は、上で縛っていた紐で、あごの下で結ぶことができまして。
そうしますととても暖かくて、頭だけではなくて耳もすっぽり覆われます。
アンカー:ああ、そうですか。考えてありますね。
はい。まだまだ、そんなに寒いわけではないので、皆さんが被っているわけではないんですけれども。
これからどんどん被る方が、増えてくるかなと思います。
アンカー:そうですか。あの帽子は男女ともに被るんですか。
えと、メーテルの被っているタイプの帽子は、男性に多いです。
アンカー:ああ。
女性ですと、もう少しファッション性を重視したような、いろいろな飾りの付いたものが、多くなってきます。
アンカー:なるほどね。そうですか。
ええ。
アンカー:分かりました。どうもありがとうございました。
ありがとうございました。スパシーバ。ダスヴィダーニヤ。
18日放送ロシア・モスクワから安藤真理さんのレポート
アンカー遠藤ふき子さん:今日はモスクワから安藤真理さんに伝えて頂きます。安藤さん。
はい。こんばんわ。ドーブルイ・ヴェーチェル。
アンカー:こんばんわ。今モスクワは月曜日の何時になりますか。
月曜日の6時15分ぐらいだと思います。
アンカー:夕方の6時15分?
はい。夕方の6時15分です。
今日の天気は曇り。朝の天気はだいたい4度ぐらいで、日中は6度ぐらいまで上がったかと思います。
アンカー:はい。
冷たい風が吹いていて、帽子や手袋、マフラーを身に付ける人も増えてきました。
アンカー:ああ、そうですか。
はい。モスクワでも先月の終りに、夏時間から冬時間に移行しまして。
アンカー:ええ。
日本との時差が、5時間から6時間になりました。
アンカー:ああ、そうですか。1時間長くなったわけですね。
はい。こちらでは毎年、10月最後の土曜日から日曜日にかけて、夜中の2時に時間が変わるんですけれども。
これはなぜ夜中の2時かといいますと。
モスクワの地下鉄の営業時間が、夜中の1時半ごろまでで、全ての運行が終った後に、時間を変えるためだといわれています。
アンカー:ああ、なるほどね。でも、ずいぶん遅くまで地下鉄はやってるんですね。
そうですね。ですからとても便利ですね。
アンカー:ああ、そうですか。
はい。
アンカー:でも一般の家庭では、皆さん起きてから、時計を1時間進めるということになるんですか。
1時間戻すんだと思います。
アンカー:あ、戻すんですね。
切り替えで、1時間余計に寝られるという(笑)
アンカー:(笑)そうすると、なんか1時間得したような感じですかしらね。
そうですね。
たまに、時間を間違えてしまう人もいるそうで。
そういう人は寝る前に、もう時間を替えておいたりするみたいですけれど。
アンカー:なるほどね。もういつも決まっているわけですね。10月の終りということにね。
最終の土曜日から日曜日というふうに、決まっています。
アンカー:ああ、そうですか。なるほどねえ。そちらはやっぱり11月半ばを過ぎると、もう雪かなという感じもしますけれど。そうでもないですか。
ええ。実は今年は雪が遅くてですね。
例年ですと、10月半ば終りには初雪が降っているんですけれども。
今年はまだ無いですね。
アンカー:そうですか。
はい。。。なんか温暖化なんでしょうか。
アンカー:ああ、なるほどねえ。
はい。
アンカー:そうすると皆さんいつもよりも、服装はわりと軽めで出ているという感じですか。
そうですね。まだまだ軽めです。
雪が降って冷え込んできますと、毛皮なんかを着られる方が、多くなるんですけれども。
アンカー:ええ。
まだ皆さん薄手のナイロンのコートですとか、皮のジャケットですとか、そういう方もいらっしゃいますね。
アンカー:ああ、そうですか。
はい。
アンカー:朝はもの凄く寒くて、日中は少し上がるとか、いろいろあると思うんですが。
はい。
アンカー:そちらでは、どうやって朝、家を出る時の服装を決めていくんですか。
モスクワだと、ほとんどアパートなんですけれども、だいたいどこの家庭にも、皆さん窓の外に温度計を付けていまして。
それで朝気温を見て、服装を決めるという方が、多いみたいです。
アンカー:窓の外に温度計ですか。
はい。外の気温を知らなくてはいけませんので(笑)
アンカー:(笑)ああ、そうですか。日本ですと普通温度計は家の中で、外にはあまり出さないですよね。
ええ。温度計は長いですけれども、上と下に引っ付けるところがありまして。
それで立って窓に引っ付いているんです。
アンカー:ああ、そうなんですか。
はい。
これは日本の知り合いが、本で読んだ話なんですけれども。
日本の温度計は、ゼロから上のプラスの部分の方が、ゼロから下のマイナス部分よりも多く取ってあるそうなんですね。
アンカー:ああ。
ですから、プラス50度で、マイナスが30度ぐらい。
アンカー:ええ。
ロシアの場合は、ゼロの下と上が同じで。
プラス50度、マイナス50度という温度計が多いみたいです。
アンカー:やっぱりそれだけ下がる確率が、高いということですかしらね。
そうですね。はい。
よく考えてみれば、当たり前のことなんですけれど。寒い所ですので。
アンカー:なるほどね。
はい。
アンカー:やっぱり外に温度計を出して、それを見ながら服装を決めるというのは、いかにも寒い国らしいという気がしますね。
(笑)そうですか。
アンカー:ええと、今日はあの、どういう話ですか。
実は亀山郁夫東京外国語大学学長と、ロシア人の人気作家ボリス・アクーニン(Борис Акунин)氏が対談したということについてのお話です。
アンカー:はい。
10月25日日曜日、モスクワで行われている一連の「日本の秋」というイベントの一部として、この対談は行われました。
テーマは「グローバル化時代に生き続けるドストエフスキー」というもので、私も出かけてきました。
アンカー:ああ。そうですか。はい。
会場は立ち見が出るほどの大盛況で、次から次へと予備の椅子が運び込まれて。
遅れて来た人が、最終的には亀山学長の目と鼻の先に座るという状態になっていました。
アンカー:そんなに満員だったんですか。
ええ。超満員でした。
アンカー:そうですか。はああ。。。
日本人の人も、結構いらしていたんですけれども。
目立っていたのは、大学生ぐらいの若い人たちでした。
アンカー:ああ、そうですか。
はい。それで、この亀山学長なんですけれども。
日本では皆さんご存知の通りだと思うんですが、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』で知られていると思います。
アンカー:はい。そうですね。もの凄くベストセラーになっているということですね。
ええ。一方、ロシアの人気作家ボリス・アクーニン氏は、モスクワ大学で日本について勉強しまして。
その後、三島由紀夫ですとか、井上靖、島田雅彦など、現代日本文学の翻訳を手がけました。
そして、独自の作家活動を開始した人です。
アンカー:はい。
ちなみにこのボリス・アクーニンという名前は、ボリスというのが名前で、アクーニンが苗字なんですけれども。
アクーニン、アクーニン……なんか日本語の単語で似ている単語はないでしょうか(笑)
実はですね、日本語の「悪人」、悪い人と書くんですけれども、この悪人にちなんで付けたペンネームだそうです。
アンカー:そうなんですかあ。なるほどね。
悪人といいましても、ただの悪い人というよりも、気高い悪人というか、気品のある悪人といいますか、そういうような、ちょっとキザな意味を込めているそうです。
アンカー:なるほどね。日本研究を色々している方で、ペンネームもいろいろと凝ってお付けになったんですね。
そうですね。
それで、今回の対談のテーマは、ドストエフスキーについてだったわけですが。
「対談」という名前ではあったんですけれども、実際私が受けた印象ですと、亀山学長がドストエフスキー論を語っていらしたというような感じでした。
アンカー:ああ、そうですか。
(笑)はい。
ロシア人同士が対談する場合には、だいたい対談の両方の人が、人の話を聴かずに、また人が話している上から自分の話を被せて話すので。
日本的イメージの対談というのは、成立することが少ないのではないかと思います。
アンカー:そうなんですか。ふーん。
ええ。ですが、さすがアクーニン氏は日本研究者だけあって、抜群に間の取り方が上手くて。
ですから、落ち着いて聴くことが出来ました。
アンカー:ああ、なるほどね。
はい。ドストエフスキーについては、また別の機会にご紹介するとしまして。
今回の対談の中で「日本人とロシア人の共通点」ということが出てきましたので、ちょっとご紹介したいと思います。
アンカー:はい。
このお二人の文学関係者が考える「日本人とロシア人の共通点」といいますのは、「良い部分でも、悪い部分でも、途中で立ち止まることができない。つまり、とことんまでやってしまう」ということだそうです。
アンカー:ああ、そうですか。はい。
ええ。その最たる例が「自殺」で。
私はこの話を聴きまして、日本で自殺が多いことはニュースなどで知っていたんですが。
なんとその日本よりも、ロシアのほうが自殺率が高いそうです。
アンカー:ああ、そうなんですか。へえ。
ええ。それで、この「とことんまでやってしまう」ということなんですけれども。
この国民性は、ロシアの人たちを見ていると、やっぱり納得のできることでして。
アンカー:ええ。
例えば、お酒の飲み方。
飲まないか、それとも、とことん飲んで酔いつぶれて、あとで後悔するかというような感じなんですね。
こういうような繰り返しなんですけれども。
ロシア語にザラタヤ・セリジーナ(Золотая середина)という言葉がございまして。
直訳すると「黄金の真ん中」というような意味です。
これは中庸といいますか、両極の正しい中間を認識するというような意味でして。
戒めの言葉として、また、こんなことはあり得ないという気持ちを込めて、こちらでは使われているようです。
アンカー:ふーん。
はい。自殺については、アクーニン氏がペンネームではなくて、本名のグリゴーリイ・チハルチシヴィリの名で『自殺の文学史』という本を出しています。
日本語にも訳されているみたいですので、ぜひ読んでみたいと思います。
それから、対談の後には、会場から質問なども出ていたんですが。
例えば「どの日本人の作家が、一番日本人らしさを出しているか」という質問に対しては、亀山学長、アクーニン氏ともに川端康成氏の名前を挙げていました。
アンカー:ああ、そうですか。
ええ。それから、この対談から10日後の11月4日、亀山学長にロシア語やロシア文学の普及に貢献した外国人に贈られる「プーシキン・メダル」というのが贈られました。
これは先ほどの『カラマーゾフの兄弟』の新訳がベストセラーになったことも、理由の一つだと思います。
授賞式は、モスクワのクレムリンで行われまして。
メドベージェフ大統領が、自らメダルを授与したとのことです。
アンカー:はい。
この「プーシキン・メダル」のプーシキンというのは、ロシアの近代文学を確立したといわれている、ロシアの詩人で小説家です。
日本ではあまり知られていないかも知れませんが、ロシアでは一番偉大で、一番有名な詩人として皆さんから愛されています。
アンカー:ああ、なるほどね。名前はご存知の方が多いと思います。
ええ。
アンカー:ええと、その亀山学長のニュースと、もう一つ軽い話題があるんですね。
はい。先ほど冬の服装について、少し触れましたけれども。
アンカー:はい。
ロシアの帽子について、ちょっとお話ししたいと思います。
ロシアの帽子といいますと、どういう帽子をイメージされるのかなと思うんですけれども。
アンカー:だいたい毛皮の帽子ですね。
(笑)毛皮の帽子ですか。
私なんかは、よくアニメの『銀河鉄道999』のメーテルの被っているような。
アンカー:ああ。
何ていうんでしょう、ふわふわの帽子が、ロシアっぽい帽子かなと思います。
その帽子なんですけれども、ロシア語ではウシャンカ(Ушанка)と申しまして、耳あて付きの防寒用帽子という意味です。
この帽子は通常、耳あての部分を付属の紐で、帽子のてっぺんで結んで、耳あての部分を上げているんですけれども。
寒い時には、その紐をほどいて、耳あての部分を下に降ろすことができるんですね。
アンカー:ああ、なるほどね。
ええ。下に降ろしているだけですと、犬のダックスフントの耳のように、耳あての部分が少し外側に跳ねているんですけれども。
アンカー:(笑)ええ。
実は、上で縛っていた紐で、あごの下で結ぶことができまして。
そうしますととても暖かくて、頭だけではなくて耳もすっぽり覆われます。
アンカー:ああ、そうですか。考えてありますね。
はい。まだまだ、そんなに寒いわけではないので、皆さんが被っているわけではないんですけれども。
これからどんどん被る方が、増えてくるかなと思います。
アンカー:そうですか。あの帽子は男女ともに被るんですか。
えと、メーテルの被っているタイプの帽子は、男性に多いです。
アンカー:ああ。
女性ですと、もう少しファッション性を重視したような、いろいろな飾りの付いたものが、多くなってきます。
アンカー:なるほどね。そうですか。
ええ。
アンカー:分かりました。どうもありがとうございました。
ありがとうございました。スパシーバ。ダスヴィダーニヤ。
18日放送ロシア・モスクワから安藤真理さんのレポート
- 「日本の秋」の対談の様子は、安藤さんが実際に足を運ばれたというだけあって、雰囲気がよく伝わってきましたね。私はまだ『カラマーゾフの兄弟』を読んだことがないので、とりあえず手に取ってみようかなと思いました。(編者)

vse-sama.ru : Шапка-ушанка
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