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カーニバルのハチドリ

リオの海岸で楽しまれているビーチバレーやビーチサッカー、リオのカーニバルの2008年チャンピオンとなった「ベイジャ・フロー」というチーム、今年で50周年を迎えたボサ・ノバについて。

こちらでは「リオのカーニバル週間」とよばれる先週一週間、天気はほとんど毎日雨模様という感じの日が続いた。それでも昨日、今日とまさにリオの真夏の暑さが戻ってきたという感じがしている。

アンカー松本一路さん:どのくらいの気温いきましたでしょうかね。

昨日の最高気温は38度と発表されている。今日は昨日よりもさらに暑くなりそうな、ひょっとすると40度くらいになるのかなと感じている。この暑さのためにリオの海岸は平日でも大賑わいで、カリオカ(リオっ子)は海岸の砂浜でビーチバレーやビーチサッカーを楽しんでいる。

アンカー松本一路さん:ああ、そうですか。ビーチバレーはオリンピック種目でもあるんですが、ブラジルのリオデジャネイロで始ったんですか。

こちらでは遊びで最初に始ったような形とされている。海岸にはネットを張る白いポールがいたる所に立っている。好きな者が自分たちでネットを持ってきて皆でビーチバレーを楽しんでいる。また、広場があればどこでもサッカーをするのだけれども、砂浜でサッカーをするビーチサッカーというのも最近では広がっている。ビーチサッカーやビーチバレーというのは、カリオカにとって特別なものではなく、白い砂浜に日光浴なり、楽しみに集まった若者たちの間で自然発生的に始ったスポーツといえるのではないかと思う。朝や午後の涼しい時間帯には、若い人も含め年配の人が散歩を楽しんだり、小さなテーブルなどを囲んでトランプゲームを楽しむ憩いの場でもある。リオの美しい海岸は、市民にとって生活の一部となっている。今は暑い時季だけれども、一年中リオの海岸では皆楽しんでいる。

リオの最大行事の一つであるカーニバル週間がやっと終わった。リオデジャネイロでは12月のクリスマス前くらいからカーニバルが終わるまで、街は半分くらいしか機能していないというような状態に入る。この時季に学校は夏休みに入る。その他、公官庁や大企業の主だった役職の人たちは1ヶ月くらいの長期の休暇に入る。電話をかけても「ただいま担当者は休暇中」ということで、担当者が休暇から戻るのを待たなければならないケースがよくある。そのため、この期間は半分開店休業というような感じだ。ただ、そういう人も仕事に戻れば精力的に仕事をこなすということも付け加えておきたい。そういう意味では「休みはよく休み、仕事はよく働く」という感じなのかも知れない。

リオのカーニバルの今年のチャンピオンは先週水曜日に発表された。トップのグループ「スペシャルグループ」の12チームの頂点に立ったのは、ベイジャ・フロー(ベイジャ・フロール、BEIJA FLOR)というチームである。昨年に続き2連勝、さらにこの6年間に5回の優勝という輝かしい記録を打ち立てた。リオのカーニバルはコンテスト、競争であり大変厳しいルールの中で行なわれて、その優劣を争うものである。このスペシャルグループの下にも、5つくらいの下位カテゴリーというかグループがある。

アンカー松本一路さん:前回紹介していただきましたよね。A、B、Cとかいろいろね。

Eくらいまである。それらのカテゴリーの各チームの総数を数えると、ひょっとしたら3桁になるかも知れないくらいある。その最上級のスペシャルグループ12チームに入るだけでも大変なわけであるが、その頂点で優勝するということはカーニバル関係者にとって、日本式にいえば「天下を取った」に等しい名誉となる。しかも、それを2年連続ということになれば大騒ぎとなる。今回の優勝発表の後、ベイジャ・フローの主だった人がホームグラウンドであるニロポリス(Nilópolis)市の消防自動車の上に乗って、まさに凱旋パレードを行なった。このチームの地元会場には1万人以上のファンが集まり、これは恐ろしい数なんだけれども、缶ビール15万本が皆に振舞われたという。

アンカー松本一路さん:えー!?1万人以上が集まって15万本ということは1人10本以上ですね(笑)

すごい量だったと思う。このようにリオのカーニバルに優勝することは、お金に換えられない誇り、名誉そのものなのである。優勝したベイジャ・フローというチームは比較的新しい。それでも創立は1948年というふうにいわれている。最初の頃は、日本でも知っている人がいるマンゲイラ(MANGUEIRA)やポーテーラ(PORTELA)という有名なチームに比較して、どちらかというと弱小チームだった。それがここ20年くらい1980年代から1990年代にかけて、最大チームの一つに成長し、最近ではほとんど毎年優勝を争うチームになっている。小さな鳥で「ハチドリ」というのがいるけれども、そのハチドリというのをこちらではベイジャ・フローという。そして、ベイジャ・フローの元の意味は「花に口づけする」というなんともロマンチックな言葉である。「ベイジャ」はポルトガル語で口づけ、「フロー」は花という意味で、ハチドリが花から蜜を吸いとる様子から名前として付けられたということである。リオの街の緑の多い所では今でもハチドリの姿を見ることができる。リオのカーニバルは、当分ロマンチックな名前のベイジャ・フローの全盛時代が続きそうな感じである。そして、日曜日にやっとリオのカーニバルは幕を下ろしたというところで、街は平常に戻ろうとしている今日この頃である。

アンカー松本一路さん:あのー、柳井さん、前回の時に紹介して頂いた日本を紹介したチームね、これの評判はどうだったんですか。

このチームはテレビなどで大変評判が良かったのだけれども、結局12チーム中11位、下から2番目になった。ただ、下位のリーグと入れ替わる最下位の12位はサン・クレメンテ(SÃO CLEMENTE)というチームだったので、日本を紹介したポールト・ダ・ペドラ(PORTO DA PEDRA)というチームは、かろうじてスペシャルグループに残ることができた。それでもブラジル全土、世界中に放送されて非常にいい宣伝になったということができる。大変素晴らしいカーニバルだったと思う。

それから、今年2008年はブラジルにとっていろいろな意味で記念の年になる。ブラジル全土で数多くの行事が行なわれる予定だ。1808年にポルトガル王室がヨーロッパにおけるナポレオン軍の侵攻からのがれるためにリオデジャネイロに王室すべてが移転してきて、ちょうど200年目にあたる記念すべき年である。ポルトガル王室の移転はブラジルの近代化に大きく寄与したといえると思う。また、ブラジルにおける日本人移住100周年、すなわち1908年日本から最初の移民がサントス港に到着した年から100年目に当たる。さらに、日本人にも馴染み深いブラジル音楽ボッサ・ノーバ(Bossa Nova)、日本ではボサノバと縮めて言うと思うけれども、このボッサ・ノーバが誕生してちょうど50年といわれている。こちらでボッサ・ノーバは「新しい流れ」や「新しい波」というような意味にあたると思う。1958年に最初にボッサ・ノーバといわれるようになったとされている。その当時の代表的な作品はヴィニシウス・ヂ・モライス(Vinicius de Moraes)という作詞家とアントニオ・カルロス・ジョビン(ブラジルではトム・ジョビン、Tom Jobim)という作曲家によるシェーガ・ヂ・サウダージュ(Chega de Saudade、『想いあふれて』)である。その曲がレコーディングされた1958年をボッサ・ノーバ誕生の年としている。今年は数々のボッサ・ノーバに関する記念CDや、若い演奏家によるレコーディングなどが予定されているようだ。リオの街にまたボッサ・ノーバが戻ってくるという感じだ。

一方100周年に関しては、来週21日木曜日にリオのシダージ宮殿という場所で、リオ州移住100周年ならびに日伯(にっぱく)交流年行事の幕開け式が、リオ州知事や福川総領事などの出席を得て行なわれることになっている。いよいよこれで移住100周年の行事の幕が開かれる。リオでもいろいろな行事が予定されているので、また機会があれば行事に関してさらに詳しく紹介したいと思っている。

アンカー松本一路さん:柳井さんは日本ブラジル文化協会事務局長ですから忙しくなりますね。

大きな行事を一つ一つ担当していて、いろいろ走り回っている。
15日放送ブラジル・リオデジャネイロから柳井信雄さんのレポート

  • 前回の記事(2008/1/25)
  • 前回紹介して頂いた「ポールト・ダ・ペドラ」というチームのカーニバルにおける様子も楽しみにしていたのですが、結果が今一つだったためか、あまり触れてもらえませんでしたね。(編者)
  • 下の映像はGoogle Videoより"Beija-Flor é a campeã do Carnaval 2008 Brasil Carnaval Champion"(1分54秒)。今年リオのカーニバルのスペシャルグループで優勝したチーム「ベイジャ・フロー」。



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