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タイのタバコと酒の規制

タバコのパッケージに表示される警告文や恐ろしい写真、健康と外貨獲得、厳しくなってきている喫煙可能な場所の規制とその効果への疑問、酒の販売や飲み屋の営業時間規制について。

タイでは今、国民の健康に気を使って無料のエアロビクス教室を開くなど、すごくいろいろなことをやっている。ところが、タバコに関してはいささかやりすぎなのではと思うくらい、少し滑稽な感じの様子なので報告したいと思った。

まず最初に始ったのは、タバコのパッケージに、日本でもあるように大きな文字で警告文をプリントしなければいけなくなったということである。数年前に周囲の人の健康を害するとか、お腹の子供によくないとか、脳内の血管が切れるとか、肺癌になるおそれがあるとか、性的能力が衰えるとか、とパッケージに大きな文字で書かれるようになった。

そうやって喫煙者を減らそうとしたのだと思うが、あまり減らなかったので、今度は文字ではなくてイラストに変わった。それは例えば、物凄く老けた風情の女性の顔だったり、しわが誇張してある女性の顔だったり、真っ黒けの肺の断面図だったり、という「わー!怖い」というようなイラストがパッケージにプリントされるようになった。

やっぱり喫煙者も加減して吸っているので、少し加減してみたりというのも見かけるようになったが、わりとすぐに皆慣れてしまった。そうしてやはり数は減らないままどんどん進んでしまった。

そのため次は写真になった。

アンカー峯尾武男さん:うわぁ、リアルですね(笑)

私が一番怖いのは、たぶん喉(のど)の癌の治療で喉に穴があいている方の首の写真である。ドロドロの肺の写真など、眠れなくなりそうな写真がある。ねらいとしては「怖いからやめなさい」という感じだった。でも、やっぱりあまり変わらなかった。それと同時にタバコは表向きに展示してはいけなくなった。販売店で「売っています」と書いてはいいのだが、その文字も小さくしなければならなくて、表には展示できなくなった。

それともう一つ、これは日本ではしていないのでびっくりしたのだけれども、吸っていい場所がすごく規定されて、空調設備のあるすべての建物では喫煙が禁止された。タイは暑いので、サービスをしている所では少しキツイくらいにエアコンを効かせているのだが、そういう所では全部だめになった。レストランでもだめ、というふうになった。ただ、これまでパブなどお酒を飲むために行く空調設備のある建物に限っては、タバコを吸ってもいいと許されてきていたのに、先月のあたま、ついにあらゆる建物で喫煙が禁止された。もし見つかったら、未遂の人でも何万バーツもの罰金を払わなければならなくなった。非常に厳しいことになった。

今まではお酒を飲みに行くと、どうしても頭や服に臭い匂いが染み付いてしまうのが嫌だった。ものの見事に華やかな空気のお店ばかりになった。

アンカー:それだけ国民が健康に生きられるようにというのが、国の政策なんですかね。

たぶん一番の理由はそれだろう。ただ、もう一つ私がひねくれた考えで思っているのは、タイは外貨獲得のために観光に力を入れているので、国外にこれだけのことをしていますよ、というのをアピールしてるのだと思う。なぜならばタイはすごく経済格差が大きくて、豊かな層の人たちは健康に気を使っていて、無農薬の野菜を食べたり、健康に気を使ったりしている。しかし、実は一番多い層である貧しい層の人たちが一番タバコを吸っているのである。貧しいと空調設備があるような所に食事に出かけられず、結局屋台や家で食べているのでタバコが吸い放題という感じになる。そのため、あまり効果が上がっていないのではないかなと思う。その分タバコの税金を上げて、医療制度に回したら良いのではないかなと私は思ってしまうので、面白い法律だなと感じている。

アンカー:タバコに厳しいと。お酒はいいんですか。

お酒も厳しくて、10年前はコマーシャルなどで流してもよかったのだが、まずコマーシャルが禁止された。それと飲み屋さんを開店できる時間も規制されている。新しい政権(サマック政権)になって厳しくなった。営業時間を過ぎても営業しているのが見つかると営業停止にされてしまう。私も一度バンドが入っている飲み屋さんで楽しんでいて、演奏の真っ最中にいきなりパン!と明かりが消えて「警察が来ました」と言われた。会計が終わったお客さんが店から出るまでの間なら営業しても平気らしいのだが、演奏していたらもういけない。

また、店舗でも売ってはいけなくなった。お昼ご飯と夜ご飯の時間はたしなむ人がいるので売っていいのだけれども、午後から6時までは売ってはいけない。お友達の家に遊びに行くのでワインでもと思って、うっかり5時半くらいに行くと、レジの前でずっとボトルを持って、酒が買えるのを待っていなくてはいけない。

アンカー:その時間にならないと、ボトルを手にすることはできても、まだ営業していないということですか。

チェーン店だとコンピューター管理しいるので、記録に残されてしまい大変だという。これもまた面白くて、飲酒の習慣が多いのは富裕層の人なので、私たちが住んでいる地域はコンピューター管理の店などはなくて、家の軒先とかでお店をしているので、やっぱり買い放題である。二重の面白い制度になっている。

アンカー:でも、なんとなくお話を伺っていると、ずいぶん健康に気を使うというのはいいことだけれど、ちょっと窮屈な感じになっているのかなという気は、外から見るだけですが、しないでもないです。

日本からいらした方が、ご飯が終わる度に席を立ってタバコを吸いに行くので不憫でならないという感じがする。大変厳しいと思う。
15日放送タイ・バンコクから江幡むつみさんのレポート

  • 江幡さんのレポートにはさらりと怖い話が出てきますね。タバコの警告文や写真を掲示しているサイトは、調べると結構たくさんあります。私はタバコを吸わないのに、うっかり肺の写真を見てドキッとしてしまいました(笑)。新聞記事によれば喫煙者には2000バーツ(約6500円)、飲食店には2万バーツの罰金を科すことになったそうです。(編者)

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